抵抗溶接機の基本構成

 抵抗溶接機は一般的に下記のような機器で構成されます。

 ①抵抗溶接電源 ②プログラムコントローラー ③溶接トランス ④2次導体 ⑤ウエルドチェッカー/テスター
 ⑥溶接ヘッド ⑦ヘッドコントローラー ⑧チラー
 
 

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※旧アマダウエルドテックは、アマダ微細溶接事業に再編されています。詳しくはこちらをご覧下さい。

①溶接電源

 溶接電源は抵抗溶接に必要な電流や電圧を制御するための機器で、溶接良否を左右する特に重要な構成要素と言えます。
 トランジスタなどでスイッチングすることで、②のプログラムコントローラーで設定した電流値や電圧値、通電時間と
 となるよう制御する役割を持ちます。
 また溶接電源とトランス間を「1次側」、トランスと溶接ヘッド間を「2次側」と呼びます。
 この溶接電源には、1次側で制御するものや2次側を制御するもの、また短時間通電に適したものや
 長時間通電に適したものなど、様々なタイプがあります。
 当社では用途に適した豊富なラインナップを揃え、お客様に提案しています。
 これについては次項「抵抗溶接電源の種類と特長」で改めて説明します。 
  

③溶接トランス

 抵抗溶接で必要となる電気は「大電流かつ低電圧」となります。※参照:抵抗溶接とは
 ですが、①の溶接電源から供給される1次側電流は「数百アンペアの低電流かつ200ボルトの大電圧」であるため、
 これを「数千アンペアの大電流かつ2~3ボルトの低電圧」の2次側電流に変換するのが溶接トランスです
 

④2次導体

 溶接トランスと溶接ヘッドとを繋ぐケーブルで、溶接ヘッドへ電流を供給するために必要なケーブルです。
 銅線を束ねたものが一般的で、より太く短い方が抵抗による電流のロスを少なくできるため、理想とされます。
 

⑤ウエルドチェッカー/テスター

 抵抗溶接の品質管理においては必須となるのがウエルドチェッカー/テスターです。
 2次導体にひっかけるように設置するトロイダルコイルと繋がれ、電流や電圧、通電時間の測定と判定が可能です。
 また、変位量や加圧力も測定可能なタイプ、電流だけを測定するハンディタイプなど、用途の応じた様々なタイプを
 ラインナップしています。当社のウエルドチェッカー/テスターは、例えば自動車業界では抵抗溶接工程の必須機器と
 位置付けられ、業界スタンダードの地位を築いています。

 測定可能な項目
  ・電流(トロイダルコイル)
  ・電圧(Vセンスケーブル)
  ・通電時間(トロイダルコイル)
  ・変位量(変位センサー)
  ・加圧力(ロードセル)
 

⑥溶接ヘッド

 主に「駆動部・加圧追従機構部・電極」で構成され、電極を被溶接物に接触、加圧し、溶接電流を流す
 機器が溶接ヘッドです。また、前項で述べた「加圧力と追従性」を調整するのが、それら中の「加圧追従機構
 部」と呼ばれるものです。卓上タイプからハンディタイプまで、用途に応じたラインナップを揃えています。

 溶接ヘッドの主な構成
  駆動部    :エアー式とサーボモーター式があり、最大加圧力やお客様の設備仕様によって使い分けます。
  加圧追従機構部:上電極を保持し、溶接に追従しつつ加圧する機構が内蔵されています。
  電極     :固有抵抗が小さく、高温で変形しにくい材質であることが要求されるため、一般的には
          クロム銅が使われます。ただし、被溶接物の材質によっては、固有抵抗の高いタングステン
          やモリブデンが使われる場合もあります。
 
 溶接ヘッドは以下のような役割を持ちます。
  ①被溶接物を加圧する。
  ②溶接電流を流す。
  ③被溶接物に発生した熱を吸収し冷却する(熱引き)
  ④追従する。
 

その他の基礎知識はこちら

 ・抵抗溶接とは
 ・抵抗溶接の方法
 
・抵抗溶接機の基本構成
 
抵抗溶接の5大条件
 ・抵抗溶接電源
の種類と特長
 ・抵抗溶接の品質管理

 

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