抵抗溶接機の構成の中でも、電気の供給とコントロールを担う「溶接電源」は特に重要な役割を占めます。
この溶接電源には、短時間通電を得意とするものから長時間通電を得意とするものまで、様々な種類が
あります。被溶接物の材質や形状などに合わせ、最適な種類の電源を選ぶことが重要です。
電源の種類と電流波形
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トランジスタにより放電電流を精度よく調整できるためスパッタの発生を抑制し、精密溶接に適したタイプです。
電流の制御速度が速く、短時間大電流(数ms)を得意とするタイプであることから、車載用センサーの銅端子など、
固有抵抗が小さく熱伝導率の高い材料の溶接で用いられます。
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単相交流式と比べると電流制御の休止時間がなく、連続的に効率よく熱供給ができ、消費電力を抑える効果もあります。
また溶接トランスも小型軽量です。
トランジスタ式と比べると長時間通電(数百ms~)を得意とするタイプであるため、溶接のほか、
モーターなどのヒュージング(端子とワイヤーの接合)で特に多用される、最もポピュラーな種類になります。
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ヒュージングの一例
熱効率が良く安定した溶接品質を保てるというインバーター式の長所を持つ一方、極性が切り替わるという交流式の
長所も合わせ持ちます。電極の片減りや異種材溶接時のペルチェ効果(極性効果)が発生しないメリットがあります。
また、単相交流式の溶接トランスを転用できるため、直流インバーターと比較すると置き換え時のイニシャルコストを
抑えることもできます。
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タイマーは溶接電源ではありませんが、関連が深いため本項にて紹介します。タイマーは、溶接電流を流す時間と
電流の大きさを制御する装置です。また、流した電流の時間と大きさを監視することができます。
溶接電源と違う点は、スイッチの役割をするサイリスタが別となっており、より大電流に対応できるところです。
このため、タイマーは大電流で溶接することの多い自動車産業で多く用いられます。
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最も普及している方式です。構造が簡単なので扱いやすく、耐久性があり安価です。しかし原理上熱効率が良くなく、
被溶接物に熱影響が出やすいため精密溶接には不向きな場合があります。
比較的容易に溶接できる鉄系材料の場合に多く使用されます。
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コンデンサに充電後、放電することにより一度に大きい電流を流します。
大電流を流せるので、アルミニウムや銅などの固有抵抗の小さい材料の溶接で多用されていました。
但し、電流の立ち上がりが急速でスパッタが出やすく、また電流値も無制御のため溶接が不安定なのが難点でした。
このため、このタイプは当社では現在扱っておらず、後述のトランジスタ式への置き換えが進んでいます。
・抵抗溶接とは
・抵抗溶接の方法
・抵抗溶接機の基本構成
・抵抗溶接の5大条件
・抵抗溶接電源の種類と特長
・抵抗溶接の品質管理
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